Restaurant Ryuzu × SUSgallery

Special Interview

Restaurant Ryuzu chef Talks about the charms of a Bowls.

飯塚隆太シェフからレストランにてご使用になりたいとお問合せをいただいたことをきっかけにボウルをお店にてご使用していただくことになりました。SUSgalleryの本社工場と同じ新潟県のご出身という繋がりから、ボウルなどのSUSgallery商品がレストランでどの様に使用されているのかインタビューにお邪魔させていただきました。

chef Ryuta Iizuka


1968年 新潟県十日町市生まれ 専門学校を卒業後 ホテルやレストラン等を経て、
1994年「タイユバン・ロブション」のオープニングスタッフとして働く。
1997年 渡仏し「トロワグロ」等の星付きレストランで修業する。
     帰国後「タイユバン・ロブション カフェ・フランセ」のスーシェフ、
    その後、料理学校でフランス料理の主任講師を務める。
2004年「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」
2005年「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」のシェフを歴任。
2011年「 レストラン リューズ」を開店する。
    ミシュランガイド 東京2013年版より2つ星の評価を受け現在に至る。
    全日空国際線機内食の監修等も手掛けている。

Q1料理を志した経緯や技術について教えてください。

––––最初に料理の道を志したのはいつからですか?
子供の頃から料理人になりたいなというかコックさんになると思ってたんですけど、僕たちの時代はみんな中学、高校、大学へ行くのが当たり前な時代だったんです。でも僕は勉強が本当に嫌で嫌で...。高校一年生の夏休みの時に、親戚のおじさんの所に行ったら地元で有名なお菓子屋のご主人がいて会話の中で「お前やりたいことあるのか?」「手に職つけておいた方がいいぞ」と言われて、そうだ俺料理人になりたかったなと。恐らく改めて志したのはその時からです。高校一年生の夏に専門学校に行くということを決めて、もう1、2年生の時には専門学校の下見に行き、高校卒業と共に大阪の専門学校へ行きました。

––––フランスへ行くきっかけはあったのですか?
ホテルで勤めたのち、ロブションに入るまでずっとフランス料理に対しての疑問というか、自分が作っているものが本当にフランス料理なのかなという疑問があり、やっぱり実際にフランスに行かなきゃいけないだろと思っていました。そんな時、日本でロブション監修の出店があり、応募してオープニングスタッフとして入ったんですね。その時には、もやもやしてたフランス料理か否かという疑問は消えて、その当時のフランス三ツ星のシェフの料理なので、そこは本当に満足していました。パリに本店を構えるお店だったんですけど、絶対に東京の方が美味しいお店を作ろうっていうそんな気概で仲間たちとやってました。で、まあそんな僕の周りの人同年代のたちもフランス行ってくると言って、周りがぞろぞろ行きだして、僕もそろそろ行かなきゃなと。

––––日本でもたくさん勉強されたと思うんですけど、フランスで学んだ技術はありますか?
フランスで学んだ技術は正直そんなにないんですよ。既に日本で僕自身も突き詰めてやった部分もあるし、なんでしょうね、日本の方が細かいというか。ですけどやっぱりフランス料理はフランスにしかなくて、やっぱりそれってレストランだけのことじゃなくて、生活だったり文化だったりそういう背景があってのやっぱりフランス料理なので。地方に行って地方の料理を食べたり、空気を吸ったり、ぶどう畑を見たり、そういう事から学んだように感じてます。その時から仕事や技術を学びに行こうというよりも、フランスを楽しみに行こうという考えで行っていたので。勿論仕事は仕事で一生懸命やるんですけど、休みの日とかはなるべく色々な地方行ったりとか、美味しいワイン飲んだりとかするようにして刺激をもらってましたね。

––––ロブションで星を獲得され、独立後Ryuzuですぐに星を獲得してますよね?
実はロブションを辞めてフランスに行き、またロブションに戻りまして。そこからまた一回辞めて料理学校講師を経て、またロブションに戻りました。丁度、恵比寿店の1階がリニューアルするタイミングで1階のシェフを任されたんですけど、1年も経たずに六本木店のシェフが移動になるので、代わりのシェフとして僕が六本木のラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションのシェフを5年ほどやってから独立しました。ラトリエではミシュランが日本創刊の時に2つ星を獲得しました。「2つ星は絶対ない」と言われていたのに2つ星を獲れたんです。それはロブションさんの著書にも「六本木のラトリエの2つ星は本当に喜ばしいことだった」というふうに書かれていて、僕たちも勿論嬉しかったです。
独立してRyuzuをオープンした年の秋に1つ星を獲り、次の年には二つ星ですね。その後はずっと維持はしています。

Q2SUSgallery の商品について

––––SUSgalleryの器についてですが、実際の使用感はいかがですか?
一番使用頻度が高いのは日常で僕が飲んでるタンブラーです。あとはこの前買わせていただいたボウル。ボウルはやっぱり使い勝手がいいのでソースを入れたりと使ってますね。温かさを維持できるし、あと冷たいものは冷たく。アイスクリームとかも溶けづらい。ソースとかも、陶器の器に入れるとやっぱり冷めちゃうんですよね。熱々の物を陶器に入れたら、器自体が温まってしまい、持っていくのも熱い。でもチタンの器に関しては外側に全く温度が伝わってこないので素晴らしいなと思っております。

––––真空構造の強みである保冷・保温効果が発揮できて嬉しいです。SUSgalleryを知ったきっかけを教えてください。
コレド室町を歩いていた時に見つけました。以前から見たことはあったのですが、その日はフランスの友人にいいプレゼントがないかと探していたところだったので目に留まったんです。午後に訪れたのですが、朝タンブラーに入れた氷が夕方まで残るという説明を店員さんから聞いた時にこれだと思い購入しました。一緒に自分用にも購入し、それからは普段から使用しています。お店で使用し始めたのは半年後くらいです。ピッチャーと、カタクチ、あとはボトルキーパーは本当によく使っています。

––––片口はソース用等として色々なところでご使用していただいています。今後タンブラーもデミタスカップとしてご使用いただけるとのことですが、理由を教えていただけますか?
デミタスと、ティーカップといかコーヒーカップの代わりですね。冷めにくいということと、あと1番は僕は新潟出身なので、藤次郎さんのナイフとか、マルナオさんの木のスプーンとか使っています。今、ティーカップは有田焼を使っているんですけど、陶器なので壊れていくわけですよね。でもチタンは壊れない、永久なので。なるべく新潟のものを使っていければと思ってます。

Q3飯塚シェフの今後について教えてください。

––––これからの目標を教えてください。
店舗展開等ではなく、従業員も多いですし、スタッフと共にお店が成長して、スタッフが幸せになればいいんじゃないかなと思います。この店で得た技術だったり考え方が参考になって、生きていく上で役立ってくれれば嬉しいです。

––––ミシュランの3つ星を狙っていたりしますか?
いや狙っているわけでは無いですね。みんなに言われますけど、あるかなしかだと3つ星あったほうがいいなと思いますけど、でも取った後どうなるかというのが想像できているので、難しいことがいっぱい増えるんですよ。落ちる心配をして3つ星をもらうなら、2つ星のままでいいかなと思うんです。ミシュランに関しては自分から俺は3つ星を獲りたいとか発信することはないですね。「お陰様で、2つ星でありがたくやらさせてもらってます」くらいのもので。ただ結果としてはもちろん嬉しいことですね。でもミシュランだからというより、普段のスタンスで仕事をしてそこにたまたまミシュランが2つ付いてているくらいな意識ですね。星だけでなく、お店全体のことを考えると、弟子を育てたいという気持ちも勿論ありますし。誰かやっぱり若い子を育てて、一人前になってくれたらなと思います。そしたら僕もちょっと楽になるし。

––––ご出身の新潟県の様々な食材を多くご使用になられていますが、今後目をつけている新潟の食材などはありますか?
新潟にも料理仲間がいっぱい増えて、インスタグラムやホームページを見ていいなと思ったら連絡して取り寄せられる状況になっているので、気になった食材は仲間達に声をかければ教えてもらえるのでSNSのツールを利用してコミュニケーションをとっています。後は、かれこれ15年くらい新潟からお米を取り寄せているんです。お米は賄いくらいしか使わないんですけど、稲刈りに従業員全員連れて行きます。稲刈りなんてやったことない子たちばっかりなので、僅かでも自分たちでやってみて、農家さんの苦労や食べ物の大切さだったり、そういう料理人としてというより人としての根本的な部分、大切なものを発見出来たらいいなと思って。結局ね、僕がシェフで社長でやってますけど、これだけの規模のお店を僕一人ではできないので、やっぱりチーム力というか、同じ方向に向かっていく考えっていうのが必要で。そういう部分でみんなで旅行して、夜中まで飲んで語り合ってというのは非常にいい機会ですよね。

––––お料理に対するこだわりについても伺わせてください。
こだわり、そうですね。素材感を感じる料理を作りたいなというのはありますね。最近見た目はキレイだけど何食べているかわからないという料理が僕の下の世代とかで多くて。別にそれはそれで評価されてる部分があっていいのかなと思うんですけど、僕はどちらかというと日本料理に近い感覚ですよね。今日は鱧なので「鱧って美味しいな」とか。そこに椎茸あわせたら「椎茸のお出汁もしみて美味しいな」とか。ウニのフォンダンは夏の最後と秋の始まりの料理で、暑さも残る時期の清涼感があって、カニの美味しさとちょっと贅沢にキャビアをのせて、さっぱりと食べれたらという想いで作りました。デザートは、梨をいろいろなパーツにして梨のおいしさを表現しています。和梨って何か本当の美味しさってよくわからないじゃないですか。でも好きなんですよね。そんなに無茶苦茶うまい訳ではないですけど、僕フルーツで一番好きなのが和梨なんですよ。儚い美味しさが非常に好きで。強い特徴がある訳じゃないけど、梨だなってわかるじゃないですか。お店の料理も季節ごとに旬を大切にしながら変えている感じですね。

––––お忙しい所、素敵なお話・商品に関するご意見ありがとうございます!
   飯塚シェフの食材への想いや結束力の秘密が少しだけ垣間見れた機会でした。
   今後も日本の食材をふんだんに使用したお料理にも期待しています。

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address:B1F VORT ROPPONGI Dual's
     4-2-35 Roppongi, Minato-ku, Tokyo
tel:03 - 5770 - 4236
web:www.restaurant-ryuzu.com